ウラン・ウデ市訪問報告書（1996年）

今回のウラン・ウデ市訪問については、次の目的がありました。

第1点目は、ウラン・ウデ市の公式招待を受け、開基330周年記念式典に参加することでした。
しかし、訪問直前にウラン・ウデ市から、記念式典を延期するが、留萌市代表団の訪問を歓迎する旨の連絡があり、式典には参加することができませんでした。
延期の理由は、ロシア大統領選挙の影響によるものでした。

第2点目は、この3・4年間、交流が間遠くなっていましたので、今回の訪問を機会に新しく就任した市長とお会いし、今後の両市の交流計画について具体的に協議することでした。
協議内容のなかの経済交流について、ブリヤート商工会議所との懇談の席上で、次のことをお話ししました。
ウラン・ウデ市（ブリヤート共和国）が経済交流を積極的に進めるためには 、輸出可能な製品（資源）のリスト、質、量、コスト、輸送方法、輸送コストなどの基本的なバックデーターを具体的に準備する必要がある。さらに、ウラン・ ウデ市自身が、経済ミッションなどを組織し、日本の市場を調査・分析し、その需要に対応していく必要がある旨、申し上げました。

第3点目は、ウラン・ウデ市の現況を知ることです。
ロシア全体と同じく、ウラン・ウデ市自体も市場経済の移行の中で、新しい経済発展の道標を模索している様子が伺えました。
91年のソ連邦崩壊から5年がたち、ようやく市民生活も落ち着きを取り戻しつつあり、街の商店などには品物も多く並び、特に中国、韓国などからの輸出品が目立っており、国内品より質も良いことから、値段が高くとも需要が多いようでした。
しかし、91年以降続いてきた生産活動の落ち込みや物価高とインフレといっ た社会・経済全般にわたる混乱の傷跡はいたるところに残っており、依然困難な状況が続いていると思われ、今回の訪問では、経済交流を希望しているにもかかわらず、具体的な生産現場である工場などの視察が含まれていなかったことにも表れていると思います。今後、市場経済を歩み上で、解決すべく問題が多く存在 していると思います。