■――――――■  留萌安心情報 メールマガジン 【防災情報】 第82号 2018.9.13 ■――――――■ :*:*:*:*:*:*:*:* ■正常性バイアス(正常化の偏見)とは?災害心理学について 一般的なイメージとして、災害に直面した際には人々は慌てふためきパニックになるのではないかと想像する人が多いと思います。しかし実際にはパニックになるケースは少なくて、むしろその逆で危険なのに焦らずに「どうせ大丈夫」だろうと過小評価して逃げ遅れることがあります。 このことを「正常性バイアス(正常化の偏見)」と言うのですが、災害心理学の世界では大きな問題として取り上げられています。実際に東日本大震災の際などにもこの正常性バイアスによって犠牲になった方が多くいます。 そもそも正常性バイアス(正常化の偏見)とは何か、正常化バイアスを防ぐために何ができるのか、過去の正常性バイアスの災害事例、などについてお話しします。  正常性バイアス(正常化の偏見)とは、災害などで目の前に危険が迫っていても、正常な日常生活の延長線上の出来事として捉えて、「自分は大丈夫」「まだ大丈夫」「どうせ大したことない」などと考えてしまう人間の心理的な傾向のことです。 地震、津波、水害、火災などの災害に出くわしても、危険を感じ取ってすぐに行動できる人は実は思いの他少なく、自分はこの災害で死ぬかもしれないと考えて、すぐに逃げることができる人は少ないと言われています。 実際に東日本大震災の津波が街を飲み込む映像でも、後ろから津波が来ているのに走らずに歩いて避難しようとし、津波に飲み込まれてしまう人たちの映像がYouTubeなどで流れていました。 現在の社会は昔に比べると安全で便利な世の中になっており、それに慣れ過ぎてしまい、なかなか災害時に危機対応への自分の対応を変えることができないのです。 災害心理学では正常性バイアスはある種の自我防衛機能と考えられており、災害時でも危険を無視することで心理的なバランスを保とうとするとのことです。  ■正常化バイアスを防ぐために何ができるのか?  正常化バイアスはある種の自我防衛機能であり、災害時に正常化バイアスなく避難することはそう簡単なものではありません。ある意味いきなり災害が発生してもうまく避難できないのは当たり前なのかもしれません。 このような状況において被災地の住民がうまく逃げるためには「率先避難者」が重要になります。率先避難者とは災害時に自ら率先して危険を避ける行動を起こすことができる人です。率先避難者が避難することでその周りにいる人にも危険なのだと認識させることができ、結果として周囲の人たち全員が危機意識を持って避難することができます。 ■常性バイアスの災害事例:御嶽山噴火  2014年に発生した御嶽山噴火では予測が難しい噴火であったために多くの登山者が巻き込まれて死亡しました。死亡者の多くが噴火後も火口付近にとどまり噴火の様子を写真撮影していたことがわかっており、携帯電話を手に持ったままの死体や、噴火から4分後に撮影した記録が残るカメラもあったそうです。 いずれの事例も「なんだかんだ大丈夫だろう」「まさか自分が災害に巻き込まれることはないだろう」という正常性バイアスが働いていたと考えられます。 以上、そもそも正常性バイアス(正常化の偏見)とは何か、正常化バイアスを防ぐために何ができるのか、過去の正常性バイアスの災害事例、などについて見て来ました。 正常性バイアスを防ぐためにも、事前に住民に対して防災教育をしっかりと行うことが重要であると同時に、率先避難者の存在が重要になって来ます。皆様も常日頃から防災に関する意識を高め、いざという時の為に率先避難者となれるよう心がけましょう。 ※防災に関するお問い合わせは、市役所総務課(危機対策係)へ。 :*:*:*:*:*:*:*:* 【発行】 留萌市 総務部 総務課 【住所】 〒077-8601 北海道留萌市幸町1丁目11番地 【TEL】  0164-56-5005 【Mail】 bousai@e-rumoi.jp 【バックナンバーURL】 これまでの配信内容はこちらです。   http://www.e-rumoi.jp/shisei/rum_0011.html :*:*:*:*:*:*:*:*  留萌安心情報メールマガジンに関するご意見やお問い合わせ、配信先の変更や停止は、こちらに送信してください。 e-mail merumaga@e-rumoi.jp :*:*:*:*:*:*:*:*  このメールマガジンに掲載された記事の無断転載を禁じます。 :*:*:*:*:*:*:*:*